
日本語ではよく使う「図々しい」。
でも、これを英語で言おうとすると意外と迷います。
辞書を見ると impudent などが出てきますが、実際の会話ではほぼ使われていないそうです。
僕も高校のとき、友達が当然のように「飲み物ちょうだい」と持っていくタイプで、
その“厚かましさ”を英語で説明しようとして、ぴったりくる単語がなくて困ったことがあります。
実は「図々しい」は、日本語特有の“距離感を越えてくる不快さ”を含むため、
英語に 完全一致する一語表現は存在しません。
この記事では、
図々しいを正しく伝えるための 最も自然な英語表現を、ニュアンス別・シーン別にわかりやすく解説 します。
Contents
結論|「図々しい」は英語に一語で完全一致しない
結論から言うと、「図々しい」をそのまま一語で言い表す英語はありません。
理由は、日本語の「図々しい」が
- 相手との距離感を無視する
- 遠慮のなさ・押しの強さ
- 厚かましさ・馴れ馴れしさ
- 少しの悪気と不快感
といった複数のニュアンスをまとめた“総称”になっているためです。
一方、英語はこれらを一語にまとめず、行動の種類ごとに言い分ける文化があります。
そのため、図々しいに近い英単語は存在しても、
「日本語の図々しい=これひとつ」という対応語はありません。
まず知りたい|図々しいを表す英語は4つの方向性に分かれる

「図々しい」は日本語なら一言で済みますが、
英語では、”どんな図々しさなのか”を切り分けて表現する必要があります。
ここを理解しておくと、
後で紹介するシーン別フレーズがスッと頭に入ります。
英語で”図々しい”に近い意味を表す方向性は、大きく4つです。
① 押しが強い・要求がしつこい(pushy系)
誰かに何かを頼むとき、相手の都合を考えずにズイッと押してくるタイプの図々しさです。
英語では pushy が最も近いニュアンスです。
- 頼みごとがしつこい
- 自分の要求を押し通そうとする
- ”遠慮のなさ”が前面に出る
日本語の「ちょっと図々しいよね」によく当てはまります。
② 身の程知らずに踏み込むタイプ(presumptuous)
「なんであなたがそこまで要求できるの?」
と感じるような、身の程をわきまえない厚かましさです。
日本語の”思いあがっている・出しゃばりすぎ”という図々しさに近いです。
- 初対面なのに馴れ馴れしい
- 立場を考えずに要求する
- 勝手に人のテリトリーに入ってくる
英語では presumptuous が最適です。
③ 恥を知らないレベルの厚かましさ(shameless)
図々しいにも種類がありますが、
”さすがにこれはない”と感じるレベルは shameless が近いです。
- 恥じらいがまったくない
- 他人の善意を当然と思っている
- ふつうの人なら遠慮する場面でも堂々としている
日本語の”図々しすぎる”に近い強い表現です。
④ 馴れ馴れしく不快なタイプ(cheeky / too familiar)
イギリス英語でよく使われる cheeky は、馴れ馴れしくて生意気なタイプの図々しさです。
アメリカ英語では、 too familiar のほうが自然です。
- 距離感を詰めすぎる
- ジョークや態度が馴れ馴れしい
- 礼儀を欠いているわけではないが不快
日本語でいう「馴れ馴れしくてちょっと図々しい」に最適です。
まずはこの4つに分類するのが重要
英語では、
図々しい=”どの方向の図々しさ??”
を明確にする必要があります。
この4つを押さえておくと、次の「シーン別の最適表現」がとても理解しやすくなると思います。
シーン別|図々しいを最も自然に言い換える英語表現
「図々しい」は一語で訳せないため、英語では”どんな図々しさなのか”に応じて表現を選ぶ必要があります。
ここでは、実際にありがちな場面ごとに最も自然なフレーズを紹介します。
① 友達が遠慮なく要求してくるとき(要求が強いタイプ)

最適ワード:pushy / demanding
例文
・He’s a bit pushy.
→ ちょっと押しが強いんだよね。
・She gets demanding sometimes.
→ たまに要求が図々しいときがある。
・You're being too pushy.
→ 図々しく押しすぎ。
ニュアンス
・“相手の都合を考えず押してくる”図々しさ
・悪意はないがしんどい感じ
注意点
「pushy」は日常会話で非常に使いやすい万能語。
②初対面なのに距離が近すぎて馴れ馴れしいとき

最適ワード:cheeky(UK)/ too familiar(US)
例文
・He was a bit too familiar for a first meeting.
→ 初対面のわりにかなり馴れ馴れしかった。
・That’s a little cheeky.
→ ちょっと図々しいね(馴れ馴れしい含み)。
ニュアンス
・友達でもないのにプライベートに踏み込んでくる
・ジョークや態度が近すぎて不快
注意点
アメリカでは「cheeky」は少し可愛い印象になるので注意。
③身の程知らずに要求をしてくる人

最適ワード:presumptuous
例文
・It would be presumptuous of me to ask that.
→ それをお願いするなんて、さすがに図々しすぎる。
・He’s being a bit presumptuous.
→ ちょっと身の程知らずで図々しい。
ニュアンス
・”自分の立場をわきまえず踏み込む”タイプ
・日本語の「図々しい」でも強い方
注意点
「presumptuous」は丁寧な否定にも使える。
④他人の領域に土足で踏み込んでくる図々しさ

最適ワード:intrusive / out of line
例文
・That question was a bit intrusive.
→ ちょっと図々しい質問だったね。(踏み込みすぎ)
・He was totally out of line.
→ 彼の行動は完全に図々しさを超えてた。
ニュアンス
・プライバシー、個人領域に踏み込みすぎ
・日本語の「それはちょっと図々しいよ」の”嫌な感じ”に近い
注意点
「out of line」は強め。怒っているニュアンスになる。
⑤恥を知らないレベルの図々しさ(最強クラス)

最適ワード:shameless
例文
・That was shameless.
→ さすがに図々しすぎ。
・He asked for more. That’s shameless.
→ さらに要求したの?あれは図々しいにもほどがある。
ニュアンス
・常識ではあり得ない厚かましさ
・”恥ずかしさゼロ”という意味で強い表現
注意点
怒り・呆れのニュアンスがしっかり出る。
まとめ
「図々しさ」は”どの種類なのか”で英語の表現が変わってきます。
- 押しの強さ → pushy
- 身の程知らず → presumptuous
- 馴れ馴れしく不快 → too familiar / cheeky
- 図々しすぎる行動 → intrusive / out of line
- 恥知らず級 → shameless
この分類を押さえておくと、「図々しい」を英語で自然に説明できます。
ニュアンス深掘り|impudent が「図々しい」ではない理由

辞書やネットで「図々しい」を調べると、impudent が出てくることがあります。
しかし、英語の感覚では impudent=図々しい とは言えません。
むしろ、日常会話で使うと意味が強すぎて不自然になります。
ここでは、その理由をわかりやすく整理します。
① impudent の本来の意味は「極めて無礼・侮辱的」
impudent は、
- 目上に対する無礼
- 相手を侮辱する態度
- 礼儀を完全に欠いた行動
を示す、かなり強い語です。
例:
He was impudent toward his teacher.
→ 彼は先生に対して極めて無礼な態度だった。
これは「図々しい」というより、
”生意気で侮辱的”という批判表現です。
② 日本語の「図々しい」は “無礼” とは限らない
たとえば、
- 初対面なのに馴れ馴れしい
- 明らかに要求が厚かましい
- 他人に遠慮がない
- 空気を読まない
など、日本語の「図々しい」は”行動の境界を越えてくる不快さ”をさすことが多いです。
相手を侮辱しているわけではありません。
つまり、方向性が違う のです。
③ impudent を使うと「攻撃的」「反抗的」という誤訳になる
impudent は、怒りを表すときの かなり強めの語彙。
もし図々しい=impudent と言い換えると、
相手に対して実際より激しい非難をしていることになります。
例:
He’s being impudent.
→ 彼は無礼で生意気な態度を取っている(強い批判)
日本語の「ちょっと図々しいよね」とは重さが違うのがわかります。
④ 実際の英会話ではほぼ使われない(文学寄り)
ネイティブの感覚では、
impudent は 日常の会話ではほぼ聞かない古めの語彙。
SNS・映画・日常会話・ドラマなどでも滅多に出ません。
そのため、辞書だけで覚えてしまうと
実用でズレる典型例 になってしまいます。
⑤ 図々しさを正確に伝える英語は、別の単語で使い分けるべき
図々しい=impudent ではなく、
前のパートで説明したように、適切な言葉を選ぶべきです。
- 押しが強い → pushy
- 身の程知らず → presumptuous
- 馴れ馴れしい → too familiar / cheeky
- 恥知らず級の厚かましさ → shameless
これらのほうが自然で誤解がありません。
まとめ:impudent は「図々しい」ではなく“無礼・侮辱”の語
- 辞書には載る
- しかし実用ではほぼ使われない
- ニュアンスが違いすぎる
- 「図々しい」を表すときは別語を選ぶべき
英語を正しく使いたい人ほど、
impudent で訳すのは避けたほうが安全 です。
日本人がやりがちな不自然な「図々しい」英語と注意点
英語に「図々しい」を一語で言う表現はないため、
日本語の感覚で直訳してしまうと、意味がズレたり強すぎたりすることがあります。
特に以下の表現は要注意です。
① impudent(強すぎ)
辞書に出てくるが、実際は「侮辱的・極めて無礼」という強烈ワード。
日常の“ちょっと図々しい”には不自然。
② rude(方向性が違う)
「失礼」という意味で、図々しさとは別物。
距離感の踏み込みや厚かましさは表せない。
③ bold(褒め言葉にもなる)
“大胆な”というポジティブな意味が強く、
「図々しい」の否定的なニュアンスを伝えられない。
④ shameless を軽く使いすぎる(強い怒りになる)
意味は「恥知らず」。
軽い図々しさに使うと、必要以上に攻撃的に聞こえる。
まとめ|「図々しい」は英語にないが、状況ごとの最適表現で正確に伝わる

日本語の「図々しい」は、
遠慮のなさ・馴れ馴れしさ・押しの強さ・厚かましさなど、複数のニュアンスが混ざった言葉です。
そのため、英語に一語で完全一致する表現はありません。
英語では図々しさを 行動の種類ごとに使い分ける 文化があり、
状況によって最適な表現が変わります。
- 押しが強い → pushy
- 身の程知らず → presumptuous
- 馴れ馴れしい → too familiar / cheeky
- 恥知らず級の厚かましさ → shameless
これらを使い分ければ、
英語でも自然なニュアンスで「図々しい」を正確に伝えることができます。
記事を読み終えた今、あなたは
相手の行動に合わせて最適な英語を選べる力 を身につけています。
あとは実際の会話や英作文で、この使い分けをぜひ試してみてください。